生きていく上で情報は大切だと学んだ『クリムゾンの迷宮』

 

クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)

クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)

 

 

最近さぼっていた書評を再開です。

 

今回読んだのは貴志祐介『クリムゾンの迷宮』。

4月に『黒い家』の書評を書いた際、id:tojikoji さんから薦めていただいたことがあり、読んでみました。

『黒い家』を読みました - 静かに週末に備えよ

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失業中の主人公・藤木芳彦は目を覚ますと深紅色の岩に囲まれた場所にいた。手元には謎のゲーム機があり、行き先を示す指示が…。

 

見知らぬ地で極限のサバイブをする本作。

80年代に流行った(らしい)ゲームブックを模して再現されたゲームを実物大の人間で行う様は、ふつうのホラー小説とは異なる、人間のサガを垣間見るようで一味違うスリルがありました。特にグールが食べ物を調達するところは、非現実的だけど極限状態ならそういうこともあり得るのかなーとそわそわ。

 

ゲームの途中、主人公は他のプレイヤー達が「食糧」や「武器」といったアイテムを選択する中、誰も選ばない「情報」アイテム(荒野ではちっとも役に立ちそうにない)を求め行動するわけですが、そこにはこのゲームを生き抜く術が…。

何事にも目先の利に走らず、大局を見て行動することが大事ってことですね。そんなことを考えると、勢いでマイホームを購入してしまった自分が恥ずかしい(;・∀・)

 

ちなみに、ゲームブックなるものが作中にアイテムとして登場しますが、わたしは聞いたことのない代物でした。今でも売っているのかなーと思いAmazonで検索すると、結構たくさん売ってたりします。最近だと「進撃の巨人」や「七つの大罪」のゲームブックもあるそうで。

進撃の巨人ゲームブック 女型巨人を捕獲せよ! (KCデラックス)

七つの大罪 ゲームブック 迷いの森の冒険 (KCデラックス ラノベ文庫)

 

ゲームブックの存在は知りませんでしたが、小学生のころに小学館の自由帳ですごろく形式の自作RPGとか似たようなものをよく書いていたなーというほろ苦いことを思い出しました。