2016年2冊目。久々に一気読みをした一冊。
デビュー作である『機龍警察〔完全版〕』シリーズの発売も待ち遠しいですが、単発物も評価が高い月村了衛氏。月村了衛 - Wikipediaを見ると、2015年には『コルトM1851残月』で第17回大藪春彦賞受賞、 『土漠の花』で第68回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)受賞とのこと。
そんな氏の著書は、勧善懲悪というのが基本的なスタイル。しかし、善が悪を倒すという単純な構造に留まることはなく、登場する人物たちが持つ、それぞれの深い人物像がストーリーに華を添えているように思えます。
また、本作では、国家対国家という政治において、個人という小さいスケールは無きに等しいという非情なテーマも扱っており、そのへんについても考えさせられる作品でした。
何を書いてもネタバレになってしまうため割愛しますが、「本が読みたいから早く仕事が終わらないかなー!」と思わせてくれる作品です。
ちなみに、機龍警察の最新作『機龍警察 狼眼殺手』はミステリマガジン1月号から連載が始まるらしいので、今年も期待の作者です。