『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士  上・下』を読みました

 

ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

2016年25冊目、26冊目。

 

何の気なしに手を取ったこのミレニアムシリーズ、読む前は「店頭でよく見かける」くらいのちょっとした期待しかありませんでしたが、読み始めると止まらなくなるくらい面白い作品でした。

 

世界中でベストセラーとなっているには、相応の理由があったんですね。結果的に、わたしがここ数年のうちに読んだ小説の中で1番面白いと作品となりました。

 

シリーズ3作目となる本作は、第1部から続くストーリーの節目となる要の部分であり、2作目のラストで瀕死状態となったリスベットとミカエルの壮大な復讐劇となっています。もちろん、雑誌『ミレニアム』も多いに関係しており、エリカが会社を去ってしまう場面など、メインとなる事件以外にも波乱が多く展開。本作の復讐の相手は国家権力である公安警察であり、相互の激しい情報戦が繰り広げられる本作はシリーズ中で、最も疾走感のある、読ませてくれる内容となっていました。

 

作者でもあるスティーグ・ラーソンは既に亡くなっており、彼が生前に執筆を終えていたのは本作の第3部まで。去年の12月に発売された次作『ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女』は、同じスウェーデンの作家、ダヴィド・ラーゲルクランツが構想を練って執筆したのだとか。純粋なスティーグ・ラーソンによる作品ではない第4部に関する出来はいろいろと意見があるようです。しかし、その販売実績を見てみると、第4部は2015年9月に世界35カ国で刊行され、本国スウェーデンをはじめ、アメリカ、ドイツ、イギリス、イタリアなど、20カ国でベストセラー1位を獲得するほどの抜群の評価を得ているのだとか。

 

作者が変わり、生粋の『ミレニアムシリーズ』とは言えないかもしれませんが、実績を見る限りは、読者からの支持は以前と変わらずにあるようなので、今後にも期待したいシリーズ作品です。

 

ちなみに、シリーズ3までは映画化もされており、プライム会員限定のAmazonビデオで視聴できるため、時間があるときに観てみたいと思います。ハリウッド版「ドラゴン・タトゥーの女」は有料となっており、続編が作られていないので注意が必要です。