福田和代氏の本。去年「バベル」を読み、著者の本は2冊目です。「バベル」はストーリーが独特で記憶に残っています。
本書は警察小説。冒頭でいきなり警視庁のサーバーがサイバーテロによりダウン。バックアップも破壊され、ありとあらゆる警察システムが使えなくなり無法地帯と化す東京。はたしてどのような混乱が起きるのかと思いきや、起こったのは大企業への脅迫事件。こちらもテロ集団の仕業。それから刑事2人とテロ集団の攻防となります。
もっと大きなスケールの事件を想定していたのですが、少し期待外れ。その後も凶悪事件が次々に起こるのかと思いきや、はたして、システムダウンさせてまで及ぶような犯行なのだろうかと思うような展開に(;・∀・)
ストーリーにパンチがないせいか、警察小説としてのディティールにもやや欠けており、のめりこむような感じにはなりませんでした。読了後も謎が残る点がいくつかあり、なんだかモヤモヤする作品。
ミステリーとしての中身はいいけどストーリーの大枠が荒削りな感じがしてしまいました。そうすると中身が良くても全体がぼやけてしまいますね(´・ω・`)
読了後にモヤモヤっとした謎を調べると、本書に登場する民間警備会社「ブラックホーク」を題材とした本が別に出ているとのこと。そちらを読まなければ、本書を理解できないんでしょうね。それか、続編への布石のつもりなんでしょうか。それにしても中途半端。
本書か上記「標的」を先に読むのか、どちらが正解かわかりませんがセットで読むことをオススメします。